外壁の劣化状況を把握することで、マンション修繕工事の内容や費用などを正確に打ち出せます。過剰な修繕工事は余計な出費となり、不十分な修繕は将来的に大きなトラブルにつながりかねません。そのため、事前の外壁診断は重要なプロセスとなります。外壁の劣化具合は、目視検査のみでは判断しきれない部分も多く存在します。熟練の診断士による徹底した検査が求められるのです。
札幌市でのマンションの大規模修繕に向けた取り組みとして、外壁診断を円滑に進めていく必要があります。
外壁診断において、外装仕上げ材などのうちタイルや石貼りなど(乾式工法によるものを除く)を使用している場合は、定期的な調査・検査の結果を報告することが所有者・管理者に義務づけられています。義務ではありますが、知らずに調査をしていないマンションも少なくないため、その場合はただちに診断を受ける必要があります。
こちらでは、マンションや建物において外壁診断が必要である理由を説明します。
マンションの大規模修繕工事は、築12~15年ごろを目安に外壁や設備などの全面的な修繕を行います。建物の規模などによっても異なりますが、費用は高額になる傾向です。費用は修繕積立金として事前に徴収されますが、修繕時期を見誤ると積立不足に陥るケースもあります。そのため、適切な外壁の診断調査を行い、修繕の時期や内容、費用を正確に見積もることが重要です。
外壁診断では以下のような項目を調査します。
外壁の劣化具合を細かく診断することで適切な修繕方法が見つかり、必要最低限の修繕工事で済むよう見積もることができます。不適切な診断では過剰な修繕工事が実施されたり、将来的に大きな出費が必要になるなど、無駄な費用が発生するおそれがあります。専門家による適切な外壁診断で修繕コストを抑え、マンションの資産価値を長く維持できます。
地域の気候条件が外壁に与える影響も考慮する必要があります。例えば、札幌市のような寒冷地では、冬季の極端な気温低下や凍結による影響で外壁の劣化が加速することがあります。特に、以下のような現象が顕著に見られます。
寒冷地特有の気象条件が、建物の外壁に対して過酷な環境をもたらします。そのため、適切な外壁診断を行い、早期に劣化状況を把握することが重要です。的確な診断結果に基づいて修繕計画を立てることで、大規模修繕にかかる無駄なコストを抑えられます。
外壁の劣化状況を正確に把握するため、様々な手法が用いられます。
例えば、全面打診調査はロープブランコやゴンドラなどを使い、外壁全体を調査して浮きや剥離を把握します。目視による劣化状況の確認も行います。このように、建物の状況に応じて調査方法を選ぶことで、外壁の劣化具合を正確に診断できるのです。
外壁診断の重要な役割は、劣化状況に応じた適切な修繕方法を提案することです。一般的に外壁の劣化状態には3つの段階があります。
業者は、現地調査で劣化の進行具合を把握し、合理的な修繕方法と費用を算出・提案します。適切な修繕を行えば建物の長寿命化が図れ、大規模修繕の時期を先送りできるなどのメリットがあります。
外壁診断の結果をもとに、マンション全体の修繕工事に必要な費用の概算が示されます。この概算金額は、修繕工事の内容や規模に応じて変動します。概算金額をもとに、マンション管理組合は修繕工事の詳細な内容を検討し、適切な予算を決定します。
マンションの大規模修繕工事には、外壁診断・修繕工事をはじめ、屋上の防水工事、給排水設備の更新など様々な施工項目があります。依頼する施工業者によって工事費用は大きく異なりますので、管理会社などに業者選定を任せてしまうと、過剰な修繕工事や高額な工事費になるなどのリスクにつながります。
大規模修繕は、必ずしもマンションの管理会社が選定する施工会社に依頼しなければならないわけではありません。仕上がりの品質・修繕費用は選ぶ施工会社によって左右されますので、マンション構造を熟知した設計会社や、第三者的な立場から大規模修繕へのアドバイスを行うコンサルティング会社の関与を得ることもおすすめです。これらの専門家を介すことで、建物診断や設計・工事監理が適切に行われ、不要な工事を抑制し、適正な価格での大規模修繕が可能になるメリットがあります。
外壁診断を依頼する際は、業者の実績や信頼性を確認することが大切です。マンションの大規模修繕は高額な費用がかかるため、経験豊富な専門業者に依頼することで、無駄を省いた適切な工事が期待できます。
調査方法には、目視調査、打診検査、ひび割れ調査、塗装材調査、コンクリート中性化試験、防水材調査、シーリング材調査、アスベスト検査(石綿含有調査)などがあります。例えば、目視調査は建物全体の外観を観察し、問題点を詳細に確認します。打診検査は外壁の剥離状況を調べます。
主な調査方法 | 内容 |
---|---|
ひび割れ調査 | ひび割れの長さ・幅を実測 |
塗装材調査 | 塗装材の劣化状態を目視や指触で判断 |
コンクリート中性化試験 | コンクリートの中性化進行度合いを調査 |
防水材調査 | 防水層の膨れや破断、ドレン周りの状態を確認 |
調査方法と内容をしっかり確認し、的確な調査を行う業者を選ぶことが重要です。
外壁診断の費用は業者によっても大きく異なります。単に安価な業者を選ぶのではなく、調査内容や精度などを踏まえて費用対効果を検討することが大切です。適切な外壁診断を行えば、修繕工事費の無駄を防げます。また、事前に修繕計画を立てることで、入居者への影響を最小限に抑えられるでしょう。費用対効果を十分に検討し、信頼できる専門業者に外壁診断を依頼することをおすすめします。
信頼できる外壁診断業者を見分けるポイントはいくつかあります。
建築士事務所協会など、公的機関から認定を受けているかもチェックが必要です。
業界での実績や評価を参考にすることも一つの方法です。また、他マンション管理組合からの評判をチェックするのもおすすめです。ただし、あくまでも参考程度に留めるようにします。
丁寧な対応と専門用語を使わないわかりやすい説明ができるかも見極めのポイントです。不明点を気軽に質問でき、的確に答えてくれる業者を選びましょう。
外壁診断を含め、マンションの大規模修繕は、長期的な建物の寿命・資産価値の維持に不可欠な重要な工事です。しかし、大規模修繕に関する専門知識が不足している管理組合単独での業者選定や管理会社任せの業者選定、全てを選定業者に任せきりにしてしまうなどすると、工事内容や費用の妥当性が不透明になりがちです。
こういったリスクを回避するには、大規模修繕の知識やノウハウを有する設計会社やコンサルティング会社に依頼するのも有効な手段の一つです。「修繕・補修が必要な箇所の調査」「修繕・補修のプランニング」「工事監理」のノウハウと知識を有するアドバイザーを介在させることで、外壁診断をはじめ適正な建物診断や設計・工事監理、適正な価格での発注が可能となるメリットがあります。
「外壁診断調査から大規模修繕まで、まとめて依頼したい」
「大規模修繕の工事見積りと業者選定をやってほしい」
「大規模修繕が初めてなので、一連の流れがわからない…」
「良い施工業者を紹介してほしい」
「工事の検査立会いをしてほしい」
このようなお困りごとがございましたら、札幌市を拠点とするEZOWL Archi Officeまでご相談ください。
EZOWL Archi Officeは、建物診断、設計及び工事監理の専門家です。第三者的な視点から大規模修繕工事をチェック・管理するアドバイザーとして、厳正な工事品質チェックを行い、不要な工事を抑止し、適正な価格での発注をサポートいたします。
ビルオーナー様などのパートナーとして、大規模修繕・営繕工事のサポートを行っています。長年にわたり培ってきた豊富な実績と独自のノウハウをもとに、お客様のご要望やニーズに沿った修繕プランをご提案いたします。
修繕積立金や工事費、資金、融資などに関するご相談にも対応可能です。
調査から診断、見積り、施工、アフターフォローまで、すべてお任せいただけます。マンション・ビルの外壁診断や修繕に関することは、EZOWL Archi Officeにお問い合わせください。
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